さんま物語 2

2018年2月26日

もう8月、さんま漁、北海道ではもう始まっております。 

さんまは現在北海道沖で 痩せた体を一人前にしようと一生懸命に豊富な餌を食べながら千島列島を目指し北上をしている頃でしょう。

第2回 漁獲方法の違い
魚の取る方法は時期によって違います。

前回にお話ししましたが一番最初の漁は7月から始まる北海道東での刺し網漁です。

さんまの大きさの目の網をカーテンの様に海中に立て魚が網の目に引っかかるのを待つ方法です。
10時間ぐらい海中に投入したままなので、入れた時に引っかかった魚と 網を引き上げる直前に引っかかった魚では鮮度にばらつきがが出るのは当然です。

しかし初物ですから値段も高く、漁が少ない時は浜値で1匹1000円以上の値が付きます。船は小型で乗組み員は2~3人、夫婦で助け合って操業しているのが多いです。

鮮度は今一ですが なんかあったかい、特別な味がするかも知れません。
そして8月初旬になり 乗組員が5~6人の小型船、中旬には中型船、下旬には大型船が解禁となり本格的なさんまシーズンに突入する訳です。
この船舶の漁法はいずれも 棒受け網漁 と言います。

これはさんまが光に反応する習性を利用して漁獲する方法です。
昼間 漁群探知機でさんまのいる場所を あらかじめ掴んでいて、夜になると船を群れの近くに移動させ、両側の舷側の大きく太い棒の様な竹棹に付いている電球を一斉につけ煌々と海面を明るく照らし魚をおびき寄せます。

しばらくして片方の舷側の電気を消します。

魚は電気の付いている舷側の方に集まって来ます。

その時に電気を消した別の舷側の方に静かに網を入れます。

電気が付いている舷側に魚が多く集まったその時 急に電気を消し、網の入れてある舷側の方に電気を付けます。

すると魚は船底を潜り抜けて網のある舷側になだれ込むように回り込んで網に入って来ます。

網にいっぱい入ったのを確かめて網をたぐり寄せます。

その網の中に水中ポンプを入れ、大きなホースで海水と一緒に魚を船倉に流し込みますが、その時 海水は直前に海中に放失され 魚だけが入って来ます。

船倉には最初から海水・真水・氷と混じり合った水があって、魚はその中に入って行きます。

この時の船倉の海水・真水・氷の割合が、水揚げするまでの鮮度の保持に微妙な関係をもたらし、それは各船の企業秘密になっております。これを担当する人を魚漁長と言って 上手な魚漁長は他の船員よりもかなりの歩合(給料)を貰っている…と言う事です。
実は、その鮮度保持の上手な船が多く女川に入港します。

ですから 値段も他港に比べると高く、高いから 鮮度保持の上手な船は 競って女川に入港し、鮮度に自信のない船は 女川を敬遠する と云う好循環を生み出しています。

こうしたことを背景に、女川のさんまは鮮度が良いと 自信を持って言えますし、いわば業界の常識になっております。
文責:ワイケイ水産㈱ 会長 木村 喜一